【獣医師監修】フィラリア予防薬の飲み忘れ10日はどうしたらいい?1週間の場合についても解説

フィラリア症を予防するには、フィラリア予防薬を月に1回投与する必要があります。

しかし、毎月だと理解していてもつい飲ませ忘れてしまうことがありますよね。

そんなときに、

「すぐに飲ませた方がいいのかな?」

「それとも来月飲ませた方がいいのかな?」

「何日飲ませ忘れたら検査が必要なのだろう?」

と疑問に思うことはありませんか?

実は、フィラリア予防でよくあるトラブルは「飲み忘れ」であるということをご存じでしょうか?

結論からお伝えすると、過度に慌てる必要はありませんが、正しい対応を行うことが重要です。

この記事では、フィラリア予防薬を飲み忘れた場合の具体的な対処法や再発防止策までを、現役獣医師の意見をもとに分かりやすく解説します。

この記事の執筆者 竹原 太郎 (獣医師・院長)

北里大学獣医学部卒業後、都内の動物病院での勤務医を経て、「竹原ペットクリニック」を開院。日本獣医内科学アカデミー所属。
「動物と飼い主様に寄り添う、丁寧で分かりやすい診療」をモットーに、日々小さな家族の命と向き合っています。専門は犬猫の予防医療および循環器科。

【結論】フィラリア予防薬の飲み忘れ10日経過していたら、気づいた時点ですぐに投与

フィラリア予防薬を予定の日に飲み忘れてしまった場合は、まずは気づいた時点で動物病院に相談し、獣医師の指示を仰ぎましょう。

飲み忘れて1~2か月以内であれば、気づいたその日から投与を再開することが多いです。

フィラリア予防薬は、体内に侵入したフィラリア幼虫を成虫になる前に駆除する薬です。

さらに、フィラリアが寄生部位である心臓や肺動脈に移動するまでの準備期間は約2ヶ月とされています。

以上の理由から、フィラリア予防薬は飲み忘れてもすぐに投与を行うことが一般的です。

ただし、犬の健康状態や地域により判断が異なるため、必ず獣医師の判断を仰ぎましょう。

(参考文献:Heartworm Basics|American Heartworm Society

即時リカバリーするチェックリスト

上述の通り、フィラリア予防薬の飲み忘れに気づいた際はすぐに投与を再開するのが一般的です。

しかし、フィラリア予防薬を安全に投与するには、いくつかの注意点があります。

それぞれを詳しく見ていきましょう。

(参考文献:Common Heartworm Prevention Mistakes Dog Parents Makes|canadapetcare.com )

体重の実測(用量不足が失敗要因)

犬にフィラリア予防薬を与える前には体重を測定しましょう。

多くのフィラリア予防薬は、体重ごとに適正な薬の量が決まっています。

万が一体重が増加していることに気づかずフィラリア予防薬を与えると、体重あたりに必要な薬の量が不足し、フィラリア症が予防できなくなる可能性があります。

1か月で体重が大きく変動し、必要な薬の量が変わる場合もありますので、フィラリア予防薬を与える前には体重を測定しましょう。

体調確認

犬にフィラリア予防薬を与える前には体調を確認する必要があります。

犬が体調を崩し、嘔吐や下痢などの症状がある場合は、投与を見合わせて動物病院を受診した方が良いでしょう。

その理由として、体調を崩しているときは、フィラリア予防薬を投与しても十分に体内に吸収されない可能性があります

その場合は、日を改めて体調が良い日に与えるようにしてあげましょう。

投与実施

犬の体重や体調を確認し、動物病院からも投与の指示があった場合は、フィラリア予防薬を投与します。

投与する際には、獣医師から指示されたフィラリア予防薬の量を守りましょう。

もし投与するタイミングに迷った場合は、動物病院に一度確認することを推奨します。

飼い主様による独断での投与はリスクを伴いますので注意が必要です。

次回は元日付に戻す

フィラリア予防薬を飲み忘れた場合、次回の投与日は「今日から1か月後」ではなく、本来の投与日に戻すのが一般的です。

その理由は、一度スケジュールがずれると、再度飲み忘れにつながりやすくなるからといわれています。

例えば、投与日を毎月1日に設定している場合は、次の月はまた1日に投与することが多いです。

記録

最後に、フィラリア予防薬を投与した日付をカレンダーやアプリに記録します。

ここで必ず、次回のフィラリア予防薬を投与する予定日を確認しましょう。

上述の通り、次回の投与予定日は投与した日から1か月後ではなく、毎月予定している投与日で設定することが、さらなる飲み忘れの予防として重要です。

フィラリア予防薬の飲み忘れ1週間の場合も同様?

ここまでは、フィラリア予防薬を10日飲み忘れた場合における対策と安全な投与の方法について解説しました。

では、フィラリア予防薬を1週間飲み忘れた場合も同様の対応で良いのでしょうか?

結論からお伝えすると、同じ対応で問題ありません。

上述の通り、飲み忘れて1~2か月程度であれば、気づいたその日から投与を再開することが多いです。

ただし、犬の健康状態や地域により判断が異なるため、必ず獣医師の判断を仰ぐことを推奨します。

愛犬の体重や体調を確認し、動物病院に投与して問題がないか確認が取れたら、獣医師から指示された通りにフィラリア予防を再開しましょう。

(参考文献:What To Do If You Missed a Heartworm Dose | PetMeds®

【再発防止策】フィラリア予防薬の飲み忘れ

ここまでは、フィラリア予防薬を飲み忘れた際の対策と安全な再開の方法について解説しました。

では、フィラリア予防薬を飲み忘れないためには、どのような対策を行ったらよいのでしょうか?

それぞれを詳しく見ていきましょう。

(参考文献:How Can I Remember to Give My Pet Their Heartworm Prevention Each Month? | Charlotte Animal Hospital

毎月同日固定+スマホ二重通知+家族Wチェック

まず基本として、毎月フィラリア予防薬を投与する日にちを固定しましょう。

一般的には、分かりやすい「1日」に決めることが多いと思われます。

次に、スマホのカレンダーアプリなどに設定し、通知が来るようにすれば飲み忘れる可能性が低くなります。

一部のフィラリア予防薬のメーカーでは、独自にアプリを開発している場合があります。

そのようなものを使用するのも良いでしょう。

最後に、家族共有のカレンダーなどにも記録し、家族全員で投与したかどうか確認しあうと、より飲み忘れる可能性が低くなります。

旅行・繁忙期は前倒し投与

フィラリア予防薬を飲み忘れてしまう原因の一つに、「忙しい」ということが挙げられます。

旅行や仕事の都合などで、忙しくなることが事前に分かっている場合は、投与予定日より数日早めにフィラリア予防薬を与えることも可能です

ただし、あまりにも早めの投与となってしまうと、翌月の投与予定日までに間隔が空いてしまうので注意が必要です。

それでも生活スタイル的に「毎月の投与管理がどうしても難しい…」という場合は、注射やスポットタイプへの切り替えを検討するのも一つです。各予防法の違いはフィラリア注射 飲み薬 どっちで比較しています。

フィラリア予防薬が作用するメカニズム

フィラリア予防薬は「予防薬」と呼ばれているものの、実際は体内に侵入したフィラリア幼虫が成虫になる前に「駆除」をするための薬です。

そのため、蚊に刺されること自体を防ぐ「忌避剤」とは異なりますが、フィラリアの感染を阻止する重要な役割を担っています。

蚊を介して犬の体内に侵入したフィラリアの幼虫は、皮膚の下で生活をしながら心臓や肺動脈に移動する準備を整えます。

その準備期間は約2ヶ月とされていますので、1か月に1回、フィラリア予防薬を定期的に投与することが、愛犬・愛猫を感染リスクから守る確実な方法ということです。

(参考文献:Heartworm Disease in Dogs, Cats, and Ferrets – Circulatory System | MSD Veterinary Manual

フィラリア予防薬の飲み忘れ10日に関するよくある質問

Q1.10日遅れでも病院での検査は必要?

基本的にフィラリア予防薬の飲み忘れが起きた場合は検査を行うことが一般的です。

しかし、直ちに検査が必要というわけではなく、まずはフィラリア予防薬を1回分投与し、飲み忘れてから6か月経ったあたりで検査を受けると安心です。

ただし、犬の健康状態や地域により判断が異なるため、必ず獣医師の判断を仰ぎましょう。

状況によっては、短い期間の飲み忘れであれば検査を必要としない場合もあります。

Q2.飲ませた後に吐いてしまったらどうすればいいですか?

フィラリア予防薬を投与した直後の嘔吐は、有効成分が十分に吸収されていない可能性があります。

その場合は、再度フィラリア予防薬を投与するケースが多いと思われます。

また、吐物にフィラリア予防薬が含まれているかもチェックすべきポイントです。

もし、投与後数時間後に嘔吐があった場合は、フィラリア予防薬はある程度吸収されている可能性がありますが、確実ではありません。

そのときの状況により再度投与すべきかどうか異なりますので、動物病院に相談しましょう。

Q3.フィラリア予防薬の飲み忘れは何日までなら大丈夫?

フィラリア予防薬の飲み忘れは、何日までなら予防効果が十分に発揮されるか、ということに関しては明確な基準はありません

上述の通り、数日間の飲み忘れであれば、感染のリスクが大きく高まる可能性は低いと考えられます。

しかし、使用するフィラリア予防薬の種類や地域により感染のリスクが異なるため、まずはフィラリア予防薬を飲み忘れることがないようにすることが大切です。

飲み忘れに気づいたら速やかに獣医師に相談し、指示を仰ぎましょう。

Q4.愛犬がフィラリア予防薬を飲むのを嫌がる場合の対処法は?

最近のフィラリア予防薬では、美味しいフレーバーがつけられているチュアブルタイプが主流となっています。

もし錠剤タイプを使用している場合は、チュアブルタイプへ変更することが対策の1つです。

また、チュアブルタイプを食べない場合は、錠剤タイプを好きなおやつや投薬補助おやつなどに包んで与える方法も対策の1つです。

それでも飲むのを嫌がる場合は、背中につけるスポットタイプや、注射で投与するタイプの予防薬もありますので、動物病院に相談してみるとよいでしょう。

Q5.飲み忘れが原因で感染した場合の治療法は?

フィラリアの成虫が心臓に寄生すると、長期にわたる内科治療が必要になります。

その上、内科治療には血栓症などの副作用のリスクも伴い、完全にフィラリアを駆除することができない場合もあります。

さらに、病状が進行している場合は外科手術が必要になることもあり、愛犬への大きな負担は避けられません。

また、治療中は運動制限や年単位での投薬管理が必要となり、生活の質も低下します。

フィラリア予防薬で感染を未然に防ぐことが、最も負担の少ない選択といえるでしょう。

【まとめ】フィラリア予防薬の飲み忘れは落ち着いて対処しよう

フィラリア予防薬を飲み忘れた場合は、どうしたらいいのか焦ってしまいますよね。

まずは落ち着いて、一度動物病院に相談しましょう。

10日や1週間程度の飲み忘れであれば、多くは気づいた日に1回分を投与し、元のスケジュールへと戻すことが一般的です。

また、フィラリア予防薬を投与する前には、体重と体調を確認し、投与後には記録するよう心掛けましょう。

アプリやカレンダーを適切に使用し再発防止を行うことで、飲み忘れのリスクを大きく下げることができます。

フィラリア症は治療より予防が大切な病気です。

正しい知識と習慣で、愛犬の健康を守りましょう。

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